レジー・ジャクソン
レジー・ジャクソンがプレイする試合を
ヤンキースタジアムへ何度か観に行った。
レジーが出場する時は、試合の何時間も前に行って、
彼の練習を見た。
彼がバッティングケージに入ると、まばたきもしないで
彼の動きのすべてを見た。
バットを振ると、ロケットのようなライナーでライトスタンドに
ボールが何発も突き刺さった。
青いシートが、ミサイルのような打球を受けて
バーンと大きく音をたてて、張り出した屋根の下で響いた。
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試合を観なくても、それだけでも満足だった。
彼には特別なパワーがある。
精神のパワーがある。

レジーは黒人。
彼が有名になったのは1970年代。
差別はまだまだあった頃。
チームメートでさえ、彼と同じホテルに泊まるのを拒否。
レストランでの食事も拒否。
ヒットを打つと 「 殺すぞ 」 と脅迫される。

「 レジーさん、それでも怒らなかったの?」
インタビュアーが尋ねた。
「 No. 」 と、レジーはきっぱり。 「 オレは野球で見返すんだ 」
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1977年のワールドシリーズ。
レジーは3打席連続ホームランの記録を作った。
しかも3回とも1球目だった。
その年のワールドシリーズでかっ飛ばした計5本の
ホームランは史上最多記録。
レジーの背番号 44 は永久欠番となり、
それはヤンキース史上、黒人としては初めてのこと。

その3年前の1974年には、ベトナム戦争へ行くのを拒否した
モハメド・アリが、奇跡の逆転 KO 勝利で世界王座に
返り咲いた。
それが差別に苦しむ世界の多くの人に勇気を与えた。
アリは1960年、食堂での食事を断わられた。
「 クロンボに食わせるメシなんかねぇ!」 と。
ローマ・オリンピックでもらった金メダルを川に投げ捨てたアリが
始めた闘いは、差別との壮大で壮絶な闘いだった。

レジー・ジャクソンとモハメド・アリ、ふたりとも自分のスポーツを
最高に高めることで世界を変えた男たち。
打たれても負けずに闘う人には、特別な力が宿る。

1989年、アリをはじめとする偉大なチャンピオンにインタビュー
する映画 『 Champions Forever 』 が作られた。
インタビューを担当するホストは、レジー・ジャクソンがつとめた。
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出演するボクサーもスラッガー、レジーも全員黒人だが、
彼らの顔から分かるのは、みんな必死に闘ったということ。
そして正面から悪に挑み、自分の力で自由を勝ち取った
男たちは、おだやかで物静かなジェントルマン。
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by fighter_eiji | 2008-12-29 18:33
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