子供たちへ :
町の耳鼻科医院。
おばあさんやおばさんたちが腰掛けて順番を待っている。
自動ドアが開いて、お母さんと中学生の子供が入って来た。
その男の子は、鼻血で顔も服も真っ赤。
みんながすぐにティッシュを用意してくれて顔を拭いてくれて
順番も譲ってくれた。
変だったのは、母親は、知らんぷりで離れたところで見てて
助けてくれてる人たちにお礼も言わない。
診察が終わって少年が出てくると、彼は、とてもいい子で
みんなに「ありがとうございました」とお礼を。
お母さんは、また知らんぷり。
お母さんは、診察代を払う時もお礼も言わない。
ふたりは、自動ドアから出て行った。
ひとりのおばさんが言った。
「 あれは、中学校の先生よ。 まあ、どうしたもんか 」
他のおばさん
「 エエっ!常識のないお母さんだと思ってたのよ 」
他のおばさん
「 先生だったらあんなもんが普通ですよ。
子供たちがかわいそうだねぇ 」