首都の暗い雲
 <放射線量>首都圏にも不安…「わが子が心配」
      2011年6月20日  毎日新聞

 東京電力福島第1原発事故の影響で、首都圏でも大気中の放射線量が比較的高い地域があることが分かり、市民の間で不安が広がっている。
【早川健人、橋口正、和田浩幸】

 ◇放射線講座

 千葉県柏市内で18日に開かれた「放射線講座」。
専門家が「安全と安心は一緒ではない。科学的に安全な数値でも、それが安心につながるかは別」と説明。
企画した私立幼稚園協会の溜川会長は「経営者と保護者の判断材料にしてほしい」と。

 ◇土の入れ替え署名1万人

 3歳と1歳の男児がいる主婦、大作(おおさく)ゆきさん(33)らが幼稚園・学校や公園の土の入れ替えなどを求めて署名運動を始めると、署名は1万人を超えた。

 しかし、市から具体的な返答はなく、長男が通う幼稚園も放射線対策には消極的という。
大作さんは「7月から休ませようか」と思い悩む。

 同様の署名の動きは栃木県や茨城県、東京都の父親や母親にも広がる。
柏市や千葉県我孫子市では、園庭の表土を削り取る作業を実施した幼稚園もある。

 一方、千葉県には、公式の測定場所が県内1カ所しかないことに批判が集中。
県が5月末から小学校などの放射線量測定を始めたところ、柏市内の公園で1時間当たり0.54マイクロシーベルトを記録。
南南東約50キロの公式測定場所では同約0.08マイクロシーベルトで、父母の不安を裏付けた。

 県北西部6市も「東葛地区放射線量対策協議会」を結成し、独自測定した結果、流山市内の公園で最高0.65マイクロシーベルトを記録。

 保護者が懸念するのは、8割超の地点で、同省が目標値とする年間限度1ミリシーベルトから逆算した同0.19マイクロシーベルトを上回っていることだ。

 0.19マイクロシーベルトを上回った野田市の保育所は、砂場とすべり台周辺の立ち入りを禁止

保育所長は「これから泥遊びをさせたいのに」と言葉少な。
根本市長は「騒ぎすぎと言われようと、市民の不安を払拭(ふっしょく)しなくてはならない」と説明する。
6市の調査で最高値が出た流山市では
「数値を下げるため」として、急きょ草刈りが。

 「ホットスポット」があるとされた葛飾区では、
今月2日から区内7カ所で放射線量の測定を始めた。
毎時0.1〜0.2マイクロシーベルト台で推移。

 ◇リスク判断難しい/自治体は不安解消を

 なぜ首都圏でも「ホットスポット」があるのか。

 放出された放射性物質は一様には広がらず、雲のように塊になったものが風で流され、雨とともに降下する。
このため地表の放射性物質の濃度はまだらに。
山沢教授は「放出量が多く、関東方面への風が吹いた3月20〜22日に広がったものが降雨で沈着した影響が大きい」と。

 首都大学東京・加藤洋准教授は
「草を植えれば粉じんが舞うのを防げるし、草を刈り取れば土壌の放射性物質の濃度が低下する」と話す。
野口邦和・日本大専任講師は「自治体が住民の求めに応じて計測し、不安を解消する仕組みを整えるべきだ」と。【杉埜水脈、久野華代】
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by fighter_eiji | 2011-06-21 13:38 | Children’s Times
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