原発事故直後の拡散予測を消去
メール受信に気づかず―福島県
2012年3月21日 時事通信
福島第1原発事故で住民避難に活用できなかったことが問題視されている「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)について、福島県が事故後の昨年3月15日朝までにメールで送られた放射性物質の拡散予測をなくしていた。
県はメールの受信に気づかず、データを消去。
SPEEDIの運用を担当する原子力安全技術センターが同月12日午後11時55分ごろからメールを1時間ごとに送信。
しかし、県は15日朝まで着信を把握せず、メールボックスの容量がいっぱいになったとして、他のメールとともに消去していた可能性が高いという。
県の担当者は、拡散予測は県庁内の専用端末に届くことになっており、震災のために庁舎が使えなくなって、データは入手できないと考えていたと説明。
同センターからメールを送付したとの連絡もなかったとしている。