ある海辺の町での葬式。
お父さんの葬儀に来られた人たちの前で息子があいさつ。
「 お父さんは、人のためばかりに尽くし、自分のことは
かえりみず、いつも人のために役立ち、人に感謝され、
それはそれは立派な人でした・・・」
と、延々とお父さんを褒めたたえ、褒めちぎった。
ひとこともなかったのは 「 みなさん、生前は大変お世話に
なりました 」 とか 「 本日は、わざわざ来ていただいて
ありがとうございました 」 等のお礼の言葉。
親戚の人たちは顔から火が出るほど恥ずかしかった。
亡くなったお父さんは地元の役所勤務で、「 全館禁煙 」
でも課長席でへっちゃらでタバコを吸い、誰がどう見ても
人のことなどまったく思いやらず、まわりの人に失礼
極まる態度で、ズケズケとした非社会的な人だった。
飲酒運転はしょっちゅう。
学生時代は野球部に入っていた息子は飲酒運転を
今もしっかりと引き継いでいる。