小津安二郎監督の映画のシーン。
多くの日本の男がしてきたように、仕事帰りの夜のバー。
背中を丸めて、小さなグラスから酒を飲む男たち。
カウンター越しに、ママさんと会話。
ラジオで軍歌が流れると、加藤大介らが演じる男たちは
急に背筋を伸ばし、手にラッパをとった格好や、
敬礼の姿勢でバーの中を行進。
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▼ 軍隊が終わっても、会社というなの軍事的組織で
疲れ果てている。
▼ 子供や奥さんのいる家には直行しないで、
バーへとまっすぐ。
▼ 会話の相手は家族や友人ではなく、バーのママ。
▼ 会話の内容は大体、グチと不平。 建設的なことはなし。
▼ 酒、タバコでますます不健康に。
▼ 酔っ払って帰宅するパパたちを子供たちは大嫌い。
▼ ファシズムを後悔するどころか、ラジオもメディアも軍歌を
流し、それを 「 良かったこと 」 としている。
▼ しょげ切っているのに、軍歌が流れると、条件反射的に
行進し始め、そういう自分に疑問を持つどころか、
そこだけが居場所であるかのような男たち。
もうすぐ2009年。
「 いやな暗い世の中になった 」 と人々は口をそろえる。
暗い世の原因は、この時代に大いにあると思う。
この人たちが作り上げてきた社会だから。
その時代の人は 「 今の若いもんはダメだ 」 と言うけど
彼らの産物だよ。