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決闘
東京、港区の小学校。
ヒロ君は太っていてみんなに 「 デブちん 」 と
言われたりして、よくいじめられていた。
もうひとり、太っていて体格の大きいジャイアンみたいな
クラスメートがいて、ふたりはどうも合わない。
ケンカになったふたりは、翌週 「 決闘 」 することに決めた。

場所は講堂。
時間は火曜日の給食後。

みんながそのことをすぐに知った。
ヒロ君のお母さんとお父さんは
「 やるからにはとことんやりなさい 」 と言った。

いよいよ決闘の火曜日。
女性の担任の先生は男っぽいさっぱりした人で口出ししない。
クラスで一番強いあきら君が自然にレフェリーになった。
会場はクラスの全員と他の観客で満員。

15分くらいの間、体育館の固い床の上でふたりは
取っ組み合い。
頭も体も床に打ちつけられながら、猛烈に戦ったふたりだが、
勝負はつかなかった。

レフェリーは引分を宣告し、決闘が終わると大きな拍手。

それからヒロ君を見るみんなの目が変わった。
もう誰も 「 デブちん 」 とは言わなくなった。
ジャイアントとは、大の仲良しになった。
クラス内でのケンカがなくなった。
卒業文集には多くの生徒が決闘のことを書いた。

その後、ボクサーになり、今40才になったヒロ君は
「 あの決闘からですよ、ボクが自信を持てるようになったのは 」
by fighter_eiji | 2009-01-16 10:57
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