日本人は名刺が好きだし大事。
会社の人に手渡すと、両手で受取り、
「 は、どうもありがとうございます! 」
「 どうぞよろしくお願いいたします 」
エイジの名刺は大したことないけど、
写真や色もついてて少し楽しいので
「 ああ、これはいいお名刺ですね
はあ、いろいろとやられていらっしゃいますねえー!」
「 ああ、ボクシングもやっていらっしゃいますか。
私もボクシングが大好きです 」
「 わたしも " あしたのジョー " を全部読みました。
力石徹が大好きです!」 と多くの女性も。
いろいろと話題が始まり、会話が弾む。
学校の先生に渡すと、97% の場合、ひと言も返ってこない。
「 ありがとうございます 」 さえも。
反応がゼロ。
それでへっちゃらな顔してる。
人を無視して、他ごとを始める。
省庁の人間に渡すと、表情ひとつ変えずに名刺を見つめるが
その狭い頭の中では
「 この人間には、上手 (うわて) に出ていいかどうか 」
「 この人間は、自分のポジションを脅かすかどうか 」
「 自分にはどういう利害が生じるか 」
「 この人間とどうつき合えば、自分は安全か 」
「 一番したいのは無視することだけど、
それで大丈夫か 」
・・ を推し量っている。
それの答えが出るまでは、ひと言も発しない。
危険は決して冒さない。
お茶も出さない。