○● 読者から ○●
久々に工作をしていて、ふと思い出したこと。
そのとき自分は小学校低学年だったか。
絵が書くのが好きで、物語を作るのが好きで、
物を作るのが好きで、本を読むのが好きな少年だった。
広告の裏面にストーリーを書いてホッチキスでとめ、
絵本を作って遊ぶのが好きな少年だった。
そのときも、本に出てくるアルセーヌルパンだとか、
少年探偵団だとかの顔を想像して、似顔絵を描いていた。
自分としてはかなり満足のいくものができたのだろう。
早速家族に見せることにした。
今思えば子供の落書き程度でしかない絵だったが、
祖母と祖父はニコニコしながら褒めてくれた。
「将来は画家かぇ?」「おめぇは絵が上手ぇなぁ」
なんて言葉をかけてくれた。
得意になった私は母親にもその絵を見せることにした。
そして母親がそのとき言った言葉は・・・
「ふーん、いいけど将来、漫画家や小説家や画家とか
音楽家だけには絶対にならんでね。
才能がなきゃ安定しないんだから」
・・・というものだった。
その瞬間から、今まで目の前で輝いて見えていた何かが、
非常につまらないものに見えるようになってしまった。
衝撃だった。
忘れっぽい自分だけれど、
この日のこの言葉は今でも忘れられない。
もちろん自分を生んで育ててくれた母親には
非常に感謝しているし、おっちょこちょいでもあるが、
しっかりしていて、面白い、いい母親だと思う。
このときの言葉も、
子供の将来を思っての気持ちであることも分かる。
だけれど。。。
母よ、何故あの時もっと違う言葉をかけてくれなかったのか?
あの時貴方が違う言葉をかけてくれていたなら・・・今自分は
全く違った場所に立って居るんじゃないか?
そんなことを何度思ったことか。
もし自分が親になってそのときと同じ状況に立ったら?
自分の子供に対してどんな言葉を言えるのだろうか?
あなたなら、どんな言葉をかけますか?
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