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変わったクラスメート
子供たちへ :

「 放送禁止用語 」 ってのがある。
差別用語とか。
それに入ってるかも知れない言葉が出るけど、
実際にあったことをここに少し書くね。
みんなのなんらかのインスピレーションになれば・・

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エイジが高校の時、クラスにものすごく目つきが悪くて
人を見る時は、体を斜めにして下向きの横向きで見て
顔色は悪くて、細くて猫背で ・・ 書くときりがない。

粗野な男が集まったクラスだから、まったくなんの
遠慮もなく、男たちは彼に向って
「 お前、目つき悪いのお!病気とちがうんか?
 お前、頭イカレとるやろ!お前は何考えとるん?」 と。

彼はスポーツは全然しなくて、勉強は好きだったみたい。
成績もトップクラスだったと思う。
友達はゼロだったろう。

あまりに変わってたから、悪いヤツの代表エイジは
彼を 「 キチガイの矢野 (仮名)」 と呼んだら、
一瞬のうちに彼のあだ名になった。
( ちっともあだ名になってなくて、そのままだけど
 本人もゲラゲラ、ニヤニヤしてて、気にしてない。
 自分でも気に言ってるようだった )
あの、そのまんまの表現のあだ名は、ねじれてなかった。
こんなあだ名はもちろんいけないことだけど、
誰も嫌悪感を持ってなかったし、
本人も 「 オレはキチガイやから 」 と認めていた。
そのまんまだったからだからだと思う。
「 キチガイの矢野 」 のことをのけ者にしたりは
全然せずにむしろ、「 おい、キチガイ!来いよ!」
と、一緒に遊んだ。
彼も変な目つきのままだけど、嬉しそうに笑っていた。
ある日、彼は家から、新聞紙にくるまれた歴史のある
とある物を持って来て
「 これ、吉川にやる 」 と言ってくれた。
それがなんなのかは言えないけど、特殊なものだった。

ひとりすごくおじいさんの先生がいて、彼の理科の授業は
抜群に面白く ( 本人は真剣だったみたいだけど ) みんな
爆笑していた。
彼は、「キツネの嫁入り 」 の話や、昔の学生がやっていた
決闘など荒っぽい時代の出来事をゆっくりと話しては
「 そういう殺伐 (さつばつ) とした時代もありました。
 はっはっは・・」

人間味あふれ、ホッとするようでみんな大好きなこの授業を
「 キチガイの矢野 」 はニコリともしないで聞いていて、
憎しみの表情を込めて 「 あんな奴はどうしようもない 」
と、怒ってた。

彼は間違いなく、日本一か二の有名大学へ行ったはず。

自分勝手な解釈だけど、あの時、矢野は 「 キチガイの矢野 」
とはっきり呼ばれて、気持がスッキリしていたと思う。

ちなみに、クラスのみんな、いろいろなあだ名をつけられて
いて、本名はみんなわからなくなっていた。
by fighter_eiji | 2009-11-02 14:48 | Children’s Times
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