子供たちへ :
会社員になっても、情熱を・・ ○● 読者から ○● 2009.1/31~2/1、ちょうど1年前の冬。初めて遠征した博多の街。 実は体調万全だったわけではなく・・・ 久々に「食欲がなくなる風邪」をひいて、数日間ろくに食べていない状態。 それでも行く私って阿呆なんじゃないだろうか(苦笑) 「ミス・サイゴン」博多座公演:2009.1.5〜2009.3.15 今までは帝国劇場でしか上演したことがなかったけれど、初の博多座公演。 このミュージカルは、海外でも上演されているけれど、オリジナル版演出をしているのは日本だけなんですって。実物大のヘリコプターが登場する大掛かりな舞台演出、しかもヘリは上から登場するので、吊るしておくだけの高~い天井が必要らしいです。 (海外では、ヘリは映像なので少々迫力に欠けるとか...) 博多座は「ミス・サイゴン」をオリジナル演出でできるようにと、設計段階から考えて建てられた劇場だそうです。それを聞き知っていたので、そんな想いをこめられた劇場で観てみたくて。 勇んで先行予約開始早々チケットを取り、数か月温め続け、タマゴ孵るんじゃないかと思うくらい待ちに待った博多公演。風邪ごときに負けられません!(←ただの舞台馬鹿!)。 舞台は1975年ベトナム戦争末期、 サイゴンで出会った"ベトナム人キム"と"アメリカ人クリス"の悲恋の話。 国も時代も変わっていく激動の中で、たった一つのものを信じること、 大切なものを守るために生き抜くこと、そして息子の未来のために死ぬことを選んだキムのお話。 今の時代、自分の子どものために死ねる親がどれだけいるのだろう。 まぁ今の時代、そんな追いつめられた状況になることが少ないけれど... 「ミス・サイゴン」を見た後は、どうしてもキムという存在が私の中にしばらく残ってしまう。 そんな時に親が幼い子どもを殺めたなんてニュースを見てしまうと、いつも以上に心が痛い。 そんなニュースを見ることが、ただとてつもなく・・・「つらい」。 キムだけではなくて、この舞台の中に出てくる人物それぞれに人生がある。 帝国劇場ではもう何回か観たけれど、何度も見続けるうちに違う面が見えてくる。 (これは私の解釈なので、違う人が観たらまた違う印象を得るのかもしれないのでご了承を…) 一方から見れば裏切り者で執拗なストーカーだけど、一方から見ればただ純粋な”トゥイ” 一方から見れば面倒見の良い人だけど、一方から見れば事態を招いた張本人っぽい”ジョン” 一方から見れば狡賢くしたたかに生き抜く人だけど、一方から見れば愛に飢えた”エンジニア” キムでさえ、子どもを守るために人を殺めてしまう。 様々な人が交わって、それぞれの人に、それぞれの結末が訪れて幕が下りる。 決してハッピーエンドではないけれど、でも暖かい「何か」も残る舞台なんだ。 最後に、タムというキムの息子が生き残る。彼はあの後どんな人生を歩んだのだろう。 この物語はフィクションだけれど、確かにあの時代には”ブイドイ”と呼ばれたタムのような子どもが生まれていたのだから。 生きていれば、私とほぼ同い年だからそんなことを考えてしまうのかもしれない。 (・・・年齢計算しないでくださいねっ!) もしかしたら、これはノンフィクションなのかもしれない、 生まれる場所が違っていたら、生まれる時代が違っていたら、私が母親を失うタムだったのかもしれない、もしかしたら子どものために死ぬキムだったのかもしれない。 作られた物語だけれど、どこか現実のように重ね合わせて考えてしまう。 ミス・サイゴンの人物は、説法のように何かを語るわけではないけれど、 それぞれが強い思いを持っていて、その人生をかけて、何かを教えてくれる。 私たちの人生だって、残念ながら必ずしも全員がハッピーエンドとは限らない。 だけど、精一杯生きていたら、暖かい「何か」が残るんじゃないかって。 ・・・なんて、カッコいいまとめ方は恥ずかしいので。 ただ、好きなだけ。感情を重ねて、本気で涙を流せる、ミス・サイゴンっていう世界が。 だからいつか、私が母親になったときにもう一度観たいんだ。 きっとまた見え方が変わると思うから。 「知」 ![]()
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