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昔の動き
こどもたちへ :

「 吉川さんは、昔と変わらないですね 」
と20年ほど前にプロボクサーだった元選手。

彼は、昨夜のエイジの試合を観に来てくれた。
青コーナーから入場する前に通路でひとり
シャドーボクシングをしているところへ、彼がやって来た。
173センチくらいで細身で彫りの深い顔をした彼は
20年前と変わらず口数は、すごく少ない。
でも一番緊張しがちなその瞬間に来てくれた。

彼のデビュー戦はすごかった。
左ジャブ一発で相手をマットに沈める見事な
第2ラウンド KO 勝ち。
デビュー戦では、普通はあり得ない技術。

きょう彼と電話で話した。
「 昔と同じ動きで前へ前へ出てくるあの動きは、
 まったく同じですね。
 あれでよく練習させてもらいましたから・・
 吉川さんを見ていてボクもやろうかなって思いました 」

エイジ、即座に
「 よし、次の試合の相手に決まりだ 」

彼 「 わかりました 」

エイジ 「 子供たちは、今いくつになった?」

彼 「 上は中学生です 」

エイジ 「 よし、子供たちに見せてやろう 」
 男は、ひとりでまっすぐ闘うんだってことを 」

彼 「 わかりました。 マラソンに出たりしてるからスタミナは
 大丈夫です。 でもヘッドギアとかグローブとかもう
 持ってないんです 」

エイジ 「 しょうがねえな。 グローブは貸すよ。
 ヘッドギアは要らないよ。 ちゃんとガンガン殴ってやるよ 」

彼 「 カンベンしてください ! 」 ・・でも彼の声には、
強い光が入った。

その試合までは、あと3週間しかない。

・・ これでまたひとりハートに火がついた。
彼は、男らしく生きられる。
それが子供たちに 「 目撃する 」 という 「 現実 」 で伝わる。
理屈じゃ話にならない。

  ==

男は、エイジに代表されるようにバカでマヌケで
横着で役に立たない。
でも男がいいなって思うのは、男同士の命がけの世界で
生きたことがあると、いつまでも心でつながっていること。
100年でも300年経ってもなんら変わらない。

映画 『 七人の侍 』 で、野武士を相手に命を落とす確率が
大きい危険な戦 (いくさ) に 「 おぬし、一緒に行くか?」 と、
かつての戦仲間に声をかける侍 (志村喬)。
声をかけられた方 (加藤大介) は、0,2秒ほどで 「 はい 」
侍は、念を押すために 「 次こそ死ぬかも知れんぞ 」
と顔を見る。
かつての仲間は、何も言わずに黙って笑顔でうなずく。

この映画の侍は
「 名誉にも金にもならない戦。
 ただし苦しんでいる農民たちを助けるためだけ 」
に命をかける。

命をかけたことがある人は、
次に自分が命をかける時に、そこにどんな意味があるかが
一瞬でわかる特質をはっきりと身につける。
自分のかけた命が、どれだけの人を救えるかというのが
ポイントになる。
by fighter_eiji | 2010-05-06 22:20 | Children’s Times
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