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スリッパとお茶、話題とアイデア
子供たちへ :

山陰の学校の校長室で ・・

校長が現れるまでの5分間、教頭も他の教師も
地域の人とエイジが学校に来たのを知っているが
初夏の猛暑の中、お茶も出ない。

校長が出てきてからも15分ほどお茶が出ない。
校長は、自分からは一切話題がない。
こちらが話題を投げかけても 「 はぁー 」 でおしまい。

エイジ
「 校長先生ね、普通はね、さっき電話して
 " あと10分でふたりで行きます "
 と伝えたんだから、誰かがスリッパをそろえておくもんですよ 」

校長
「 はぁ 」

エイジ
「 他の先生たちが私達を見て、声もかけてるんですけど
 誰もお茶を用意しないんですね。
 校長先生も大変ですね 」

校長
「 あぁ、お茶をお出ししましょうか?」
と、のそっと職員室へお茶出しの指示に行く。

エイジ
「 校長先生、もっと自分から話題を出すべきですよ。
 スリッパも出して、お茶を出して、話題が豊富だと
 みんなに " ああ、いい校長だ!" と、評判になって
 みんなが喜んで、やる気になって、全体が良くなるんですよ 」

校長
「 はぁ 」

エイジ
「 自分から何か話題を出してください 」

校長
「 どうも・・その・・会話ベタでして・・」

エイジ
「 最近どこかへ行かれたとか、何かを食べられたとかで
 いいんですよ 」

校長
「 いや、特にどこへも行かないし、特に食べてないし・・」

やがて、小太りに黒い T シャツを着て、汗っぽい顔をした
女性がお茶をふたつ持って入ってきた。
めんどくさそうに長テーブルにお茶を置いた。
地域の人とエイジがそれぞれ何度か 「 こんにちは 」
「 暑いですね 」「 どうもありがとうございます 」 と、その先生に
声をかけたが無視。
校長室から職員室につながる出口を出がけにもう一度
エイジは 「 ありがとうございます。 いただきます 」 と、言ったら
顔を横に向けたまま、声を出さずに口パクで
「 失礼します 」 と、とがらせた口をサイレント映画の
シーンみたいに動かした。

エイジ
「 校長先生、あれはひどいですね 」

校長
「 はぁ・・まぁ・・」

エイジ
「 学校は、調子いいですか?」

校長
「 いえ、いろいろあります・・」

エイジ
「 解決するアイデアは、どんなのをお考えですか?」

校長
「 いやぁー・・そのぉ・・アイデアというのが苦手でして・・」

エイジ
「 でも解決しないと 」

校長
「 それがむずかしいんですねぇ 」

エイジ
「 教育者でいて、しかもそのトップに立ってて、むずかしいの
 どうの、そんな一般人が言うようなことをいうもんじゃない 」

校長
「 きょうは、いろいろと手厳しいお言葉を・・」

・・ これは、よくある典型的校長先生。
こういうヌケサクがいっぱい。

ただし、この会話は、女性の校長。
by fighter_eiji | 2010-06-12 23:15 | Children’s Times
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