子供たちへ :
「 さあ、これから試験の結果と順位を渡しますよ 」
と、髪の毛をうしろに束ねた女性の高校の先生。
「 でも渡す前に言いますね。
あなたたちは、各中学校では1番や2番だった人たち。
それがきょうここにいる67人の中では、いい順番では
ないでしょう。
でも誰かがその順番をとるようになるわけですから
そんなにがっかりしたりしないでいいですよ 」
と、高校に入ってから最初の試験結果を渡す前に。
ヒロちゃん (=エイジのおふくろ) が、
もらった順位は32番。
それまでずっと1番だった彼女には、大ショックだった。
でも先生の言葉を思い出し
「 誰かは60番やし、65番の人もおるし・・
確かにそうやな・・」
と、気が落ち着いた。
1948年頃の話。
終戦は、1945年。
==
その先生は、いい人だったからみんなに信頼された。
ただ教師というのは、そのくらいが最低の標準で
あるべき。
そういう先生が珍しかったというのが狂ってる。