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新幹線の黒帯
子供たちへ :

新幹線の自由席。
東京から乗ったエイジは、1号車の1番の席に。
最初は、すいてたけど、途中の駅でドッチャリ
乗って来たから、うしろを振り返ったら、通路の
一番後ろのところに、肉団子みたいな高校生が
いっぱいいて、でかいスポーツカバンが4-5個、
通路に放り出してあって、でかいヤツらのうしろに
細いお母さんが見え隠れする。
小さい子供をふたり連れてるようだ。

エイジは、席を立って、うしろへ。
エイジが通ろうとしても坊主頭のボケナスたちは、
こっちをチラッと見ただけで、カバンをどかさない。
カバンからは、柔道着や、黒帯がはみ出していて
選手の名前も書いてある。

「 オイ、肉 」
学生たちが5人くらい振り返る。
だらしなく座ってる5-6人の肉もこっちを見てる。
エイジ、床のでっかいバッグに視線をやってから
ミートボールたちに 「 なめんじゃねえぞ 」

ミートボールたちは、荒っぽくカバンをガラガラの
棚の上に放り上げ始めた。
雑音が静かな車内に。
「 ガチャガチャ、うるせえ、コノヤロ 」
ぶらさがったひもやカバンの端っこを指して
「 きちんと入れろ。 ボケヤロ 」

直したのを見て 「 なんだ、できるんじゃねえか 」

親子の方を見たら、一番小さい3才くらいの女の子が
座ってて、5才の子とチューリップハットのママが
立ってる。

エイジ、通路の一番前を指差して
「 一番はしっこだけど、どうぞ座って 」
お母さん 「 ありがとうございます!次、降りますから 」
とさわやかに。
エイジ 「 ホントにいい?」
ママ 「 はい、大丈夫です!」

また自分の席に戻ろうとすると、坊主頭どもが
伏せ目がちにこっちを見てる。

「 お前ら、男じゃねえ。 恥だから柔道やめろ 」
と言って、二歩進んでから、また振り返って
「 監督にも オレが "インチキ監督、やめやがれ"
 って言ったって言っとけ 」

次の駅でエイジも降りた。
リュックをしょって、歩き出すとプラットフォームで
走り出す、さっきのふたりの女の子たちが見えた。
ふたりは、迎えに来ていた上品な服装の
おばあちゃんとおじいちゃんに駆け寄って
抱かれていた。

エイジが速足で横を通り過ぎていると、
ママが気がついて 「 ありがとうございました 」
こっちを見上げたばあちゃんとじいちゃんに
ママが、その T シャツの汚い奴が誰なのか
すぐに説明している。
5才の方の女の子が
「 どうもありがとう!」
と言ってくれた。

こっちこそありがとう。
バカがはびこる社会で、きちんと育ってくれて。

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柔道、剣道の大勢が警官になる。
by fighter_eiji | 2011-08-12 14:52 | Children’s Times
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