子供たちへ :
1994年頃の夏。
スイスのジュネーブ空港から列車でモントル―の町へ。
レマン湖のほとりの小さな町。
そこから今度は、ケーブルカーで20分ほど山に上がった
ところにある小さなホテルに泊まった。
着いたら早速ジョギング。
モォー!モォー!という乳牛を見ながら走っていると
何やら大きいものがうしろから追いかけてくる。
牛よりも大きいかと思われる巨大なセントバーナード犬だ。
必死で逃げた。
つかまったら、殴ってもあの雲みたいなフサフサじゃ、
効くわけがない。
顔だけでも、こっちの体よりデカそう。
平和的解決をしようにも、取引の決め手のパンの
かけらも持ってない。
なんとか、ジグザグ走行で相手をまいた。
翌日は、ホテルの朝食のパンをひとつポケットに
しまって走った。
残念ながら (いや、幸いなことに) ジャンボドッグは
出てこなかった。