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窓際の男のシルエット
子供たちへ :

「 なんかこのおっさん、態度が悪いし、
 いかんヤツや 」
と、ある映画のオープニングシーンを
3秒ほど観た9才の少年。
[ 映画&ボクシング・ワークショップ ] にて。

セリフも何もない、ただ男の側面からの
シルエットだけを観てそういった。

「 だって、タバコと酒とパチンコ
 (=ピンボールマシン) やっとる。悪いやつや 」

監督シドニー・ルメットは、さすが。
子供の純粋な感性に一発で理解してもらえる。

その男は、世間の非正義に負け、
自分に負けた悪徳弁護士。

次のシーンでは、汚いバーで
汚い男たちと飲んでる。
本人たちは、汚いと思ってない。
同類が集まるから快適。

30分後、一緒に観ていた大人たちの会話・・
「 会社の同僚は、みんなあれですよ 」
「 おれも、ああいう連中と同じ・・」
「 日曜は、パチンコ行きが普通になってる 」
「 あの映画、一度観ていて、ストーリも覚えてるけど、
 あのファーストシーンには気づかなかった 」

  ==

映画では都合上、弁護士にしたけど
これは、一般の人たちのこと。
自分に負けて
正義どころか
理想も
自分自身も信じられない普通の人たち。

 ==

映画のファーストシーンには、命がある。
映画は、小さい頃から観た方がいい。
感じ取り方の正確さがちがう。
by fighter_eiji | 2011-08-27 20:55 | Children’s Times
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