世界から孤立したサンドバッグ
子供たちへ :

「吉川さん、あのボクシングジムのおねえさん
 ドミニクですけど、目に涙をためてましたよ」
と、ボクサーの相棒の安藤選手。
ふたりでデンバー郊外のグリーリー (Greeley)
という町のボクシングジムを訪問した帰りの
車の中で。
7才くらいのチビッ子 (女も男も) がたくさんいて
プロのランカーもいる、そのジムで練習生に
話をしたり、スパーリングやミット打ちをした。

20才くらいの事務員のドミニクが目に涙を
ためながら、安藤選手に言ったのは
「私達は、この町で世界から孤立してる気がしてるの。
 誰もたずねて来ないし。子供たちの親もいろいろと
 トラブルも多いし。ボクシングでなんとか子供たちを
 悪の道から遠ざけてるの。
 わざわざ、はるばる日本から来てくれるなんて。
 本当にありがとう」

その前日、「グリーリーに行く」と近郊の町の人に
話したら、彼は「用心しろよ。危ないところだ」
と警告。

「俺は、強かろうが、強くなかろうが、
 すべてのボクサーを尊敬してる。
 ボクシングをやれる人はすごい。
 ボクシングは、最高だ」
とジムのリングにずらりと座ったチビッ子たちに話した。

翌々日、ラスベガスに飛んで世界ナンバーワンの
カットマン、スティッチに会った。

「ランチは、オレが」とエイジが言っても、スティッチは
メキシコ人のウェートレスのおばさんに素早く
スペイン語で「勘定書きは、オレに持って来てね
 この友達には、何も払わせちゃいけない」と言った。

チーズバーガーにブラックペッパーをかけながら、
スティッチにグリーリーのドミニクが言ったことを
話したら、メキシカン料理を食べていたスティッチの
手が止まって
「そこの練習生たちは、メキシコ人か?」
エイジ「そう、全員そうだよ」

持っていたナイフとフォークをテーブルに置いた
スティッチは
「彼らの気持がよくわかるよ。オレも同じ
 メキシコから来て、同じ思いをしたから・・・
 そこへ行ってくれて、ありがとう、エイジ」
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by fighter_eiji | 2012-04-29 13:02 | Children’s Times
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