<大津いじめ自殺>
市教委が全教員アンケを公表せず
2012年7月28日 毎日新聞
自殺直後に学校が全教員に行ったいじめアンケートについて、市教委がその存在を公表していないことが分かった。
重要な調査だが、市教委は「資料が警察に押収された」ことを理由に、内容も把握していないとしている。
自殺直後、担任や2年生教員ら約10人に校長らが聞き取りをし、「自殺前、教員にいじめの認識はなかった」と判断。
学校は同時期、いじめを知っていたかなどについて全教員約60人にアンケートしたが、市教委に報告していなかった。
市教委が教員アンケートの存在を把握したのは今年6月。
生徒の遺族との訴訟に対応するため、状況を学校側に再確認した時。
この際、市教委の担当者は内容を調べなかったという。市教委幹部は「当時の調査や指導が不十分だったことは申し訳ない」と話している。また「自殺の練習」などの生徒アンケート内容が明らかになった今月4日以降も公表しなかったことについて、「対応に追われ、公表に思い至らなかった」としている。
学校は遺族にも「教員にいじめの認識はなかった」とだけ伝え、教員アンケートの実施やその内容は報告していない。
生徒の父親(47)は「全教員がいじめに気付いていなかったのは本当なのか。
隠蔽(いんぺい)体質にあきれるばかりだ」と憤っている。【千葉紀和】