チェルノブイリの放射能専門家
福島市民の前で発した重い警告 国家による国民に対する犯罪行為 2012年10月26日 Excite News この1年半、放射性物質をめぐって、今なお「心配ない、安全だ」という人と、「危険だ」という人の間には大きな溝が存在。 10月16日、日本の状況を冷静に見ることができる人物が緊急来日。 ベラルーシにある民間の研究施設「ベルラド放射能安全研究所」のアレクセイ・ネステレンコ所長。 研究所では、チェルノブイリ事故以来、ホールボディカウンターで45万人以上の子供たちの体内被曝量を測定し、39万件に及ぶ食品の放射能検査をた。 「国の発表したデータは誰も信用していませんでしたから、個人が使える線量計を作らねばなりませんでした」 国の言うことは信用できないという構図は、日本と一緒だ。 「次に行なったことは、食品を測定できる『放射能地域センター』を学校などに設置し、各家庭から食品を持っていって測定できる体制をつくりました。また、測定だけでなく、どう調理すればいいかを指導するようにしました」 日本では、個人が自由に食品検査をするまでには至っていない。 「さらに、ホールボディカウンターで人体の測定を始めました。45万人の子供たちの体内被曝を測定した結果、子供たちの体内に放射能が蓄積されていることがわかりました。では、蓄積された放射能を減らすためにどうすればいいのか。われわれは放射能を体内で吸着する吸着剤を対策法として考えました。研究の結果、『ビタペクト』という吸着剤を開発し、これまで130万人以上にビタペクトを提供してきましたが、それを飲むことで子供たちの体内被曝量が減るという大変よい結果が得られています」 ビタペクトの主要成分であるペクチンは、体内でセシウムと結合し、さらに人体の代謝の働きをよくするため、セシウムを体外に排出していく作用があるという。 子供の被曝を避けながら、住民が放射能汚染のなかで生活していくためのこうした活動だが、ベラルーシ政府はまったく協力的ではなかった。 ネステレンコ氏は日本政府も痛烈に批判。 「日本は(避難区域の放射線量基準を)年間20ミリシーベルトとしていますが、これは国家による自国民に対する犯罪行為だと思います。20ミリシーベルトであれば国家にとって都合がいい。なぜなら、『20ミリシーベルトまでは安全』と言っておけば、対策をしなくて済むからです」 福島が置かれた状況について語り出した。 「将来、福島でどのような病気が増えるのか、また病気の子供が増えるのかといえば、残念ですが、病気の人が増えると思います。ベラルーシでは低量の汚染地域でも重病の患者が多く出ています。子供の甲状腺がんについて、ベラルーシは悲劇的な状況だというしかありません。低量であっても、放射能は体内に入ると遺伝子に大きな影響を与え、精子の一部や生殖器の一部が壊れると、それが子供にも遺伝し、さらには孫に影響が出る場合もある。しかし、このような予測を言うことは、『大丈夫ですよ、何も危険なことは起こりませんよ』と言うよりはいいのではないでしょうか」 福島では「放射能は安全だ」という人たちも大勢。 福島市内在住の主婦 「福島では『放射能は安全』『ここに住んでも大丈夫です』と言われているので、たまにこういう厳しいお話を聞かないと、自分がどう思っていいのか不明確になってしまうんですね。今日は、放射能は人体へ悪影響を及ぼすということの確認のためにも来ています」 ネステレンコ氏は、福島の未来のために協力したいと語るが、そこには壁があるという。 「現在、福島原発事故について明らかになっている情報が、言ってみれば氷山の一角で、真実が水の中に隠れているからです」 福島は真実を待っている。 (取材・文/頓所直人) === 悲惨なチェルノブイリだが、 「福島の汚染は、チェルノブイリとは比較に ならないほどの重症だ」と専門家たち。 ![]()
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