- Business Journal
認知症専門医・長谷川嘉哉氏による
『公務員はなぜ認知症になりやすいのか』(幻冬舎)。
「認知症は記憶を司る『海馬』が萎縮する
ために起こるが、最近になって感情を司る
『扁桃核』の衰えも発症に大きく
関わっていることがわかってきた」。
大切なのが、扁桃核=感情を刺激する生き方。
そのためには、不快に感じることを、
考え方や行動によって快に変えていくことが、
扁桃核を刺激し、認知症の予防につながる。
認知症の分かれ道は40代以降、
扁桃核に刺激を与えてきたかどうか。
●マンネリな生活を送っていると、認知症の危険
「マンネリで変化を好まない公務員」は扁桃核を
刺激しない頭の使い方の人が多く、そのため
認知症になりやすい、危ない職業。
著者の長谷川氏は、経験も交えて解説。
年間50回ほどの講演を行う著者だが、
主催者が民間か公的機関かで、対応の“差”が。
「民間が主催の場合は、会場で本の販売を」
公的機関の場合、販売させてもらえない。
理由は「規則で決まっている」
「上司に確認したがダメ」というお決まり。
柔軟性がなく、前例主義で、聴衆の希望に
応えるという意思すら持たない公務員は
「価値観が凝り固まっている」
「公務員で大切なのは前例があるかないか、
マニュアルから外れていないかであり、
個人的な判断で結論が出せません」
「組織を優先する人のほうが、出世も早い」
よって「自らの判断で新たな方法や対応策を
生み出す思考・行動が必要とされない」し
「狭い価値観だけで仕事をする」
柔軟性のなさは、凝り固まった価値観を
生み「扁桃核」をうまく刺激できなくなる。
公務員の思考は「脳の働きからいっても
認知症の危険因子」
●脳に刺激を与え続ける生活が必要
公務員は「お役所仕事」と揶揄され、
決まった内容を繰り返すだけで、
新しいことはせず、柔軟性、発想力がない。
日々ルーティンワークばかりで生活に刺激
もなくマンネリに陥りやすく、認知症に。
(文=Business Journal 編集部)