子供達へ:
ニューヨークの一角に 「ヘルズ・キッチン(地獄のキッチン)」 と呼ばれるスラム街がある。
そこで生まれた少年が28才になった時に書いたシナリオは29才の時に映画化された。しかも自分が主演で。
映画はアカデミー最優秀作品賞に輝いた。
こうしてヒーロー 『ロッキー』 は生まれた。
貧しかったシルベスター・スタローンは映画館でお客を席まで案内するアルバイトをしていた。その時に映画の展開をすべてノートに書き込んでシナリオの勉強をした。
『ロッキー』 の脚本は完璧。キャラクター設定、セリフ、テンポ、間合い、テーマの普遍性など。
「映画の神様」 で脚本にはとってもうるさい黒澤明監督が 「ロッキーは良かった」
スタローンはそれをたったの3日間で書き上げた。
ただし、書いたのは3日でも、その前に長い道があったわけだ。
これまでに彼の書いた20本の脚本が映画化され、8本を監督した。
学ぶということは 「何からでも学ぶ」 「ひとりでも学ぶ」 こと。先生がいないとだめ、学校がないとだめ、というのは間違い。
薪を担いで本を読んでる二宮金次郎の銅像は有名だよね。
『ロッキー』 のキャラクターはスタローンそのもの。 「無骨(ぶこつ)でも、下手でも絶対にあきらめない」 という性格。
『ロッキー』 は6作も作られた。いつも 「愛こそすべて」 というシンプルなメッセージで世界で大ヒット。
『ロッキー』 を書いた時、彼は本当にお金がなくて、借りていた小さなアパートも追い出される寸前だった。そのアパートの小ささをスタローンはこう表現している 「ベッドに寝たままですべてに届く」 ベッドに寝たまま、窓も開けられる。冷蔵庫も開けられる。入口のドアにも届く。
イタリアからの移民をパパに持つ少年はハートだけは大きかった。