
きれいなホテルのエレベータの最上階。
ベビーカーが2台、エレベータの到着を待っている。
2分ほど待ってようやく扉が開いた時にホテルでの結婚式に出席していた50才台のスーツのおじさんが横からササッと一番に乗り込んだ。
おじさんのあとにベビーカーとお母さん達も続いた。
エレベータの中ではおじさんがチッチッチッ!と口をならす。結婚式のごちそうを食べた後で歯に挟まった何かをとりたいのだろう。息は酒臭い。
エレベータが1階に到着。出口はふたつのベビーカーが既に頭を向けていてすぐに降りられる状態だったが、スーツのおじさんがピカピカの皮靴でベビーカーをまたぐように足を出して一番に降りた。
2台のベビーカーは玄関に向かった。大きなガラス張りのドアは手動。ドアの前で待っていたが、ドアを通り抜けた何人かのおじさんもおばさんもドアを手で押さえていてくれる人はひとりも現れなかった。
これらの人達はヨーロッパだったら他人に大いに叱られるでしょう。