
トモキに会ったのは彼がまだねんねの頃。1才に満たない甥っ子と一緒に畳に転がって遊んだ。
トモキの両親がたまに来る私のことを忘れないようにと冷蔵庫のドアの真ん中に私の写真を貼ってくれた。ベトナムのサイゴンリバーのボート上で太陽をいっぱいに浴びた元気な写真。
おかげでトモキは私のことを忘れることなく、3才の頃まで冷蔵庫のドアを指差しては「エイジ!エイジ!」と名前を呼んでくれた。
その後、家を模様替えし、冷蔵庫の場所も移動し、私の写真は役目を終えて外された。
トモキが時々「エイジ!エイジ!」とある方向を指差す。「あれ、エイジが訪ねて来たかな?」だれもいない・・
彼はもう写真も貼っていない冷蔵庫を「エイジ!エイジ!」と呼んでいた。
5才の頃まで、彼にとって冷蔵庫の名前がエイジだった。
ある時、転勤で一家は大阪へ。私はその頃は月に2回ほど海外出張。東京にいる時は毎日ボクシングのコーチ。結局7年間ほどトモキに会えなかった。
彼が12才になり、一家が東京に戻ってはじめてトモキは「エイジの正体」に出会った。
○●○ 読者のコメント ●○●
何と純真なんでしょう!
正体を知った様子は?
⇒ Straight Talk: 「やっぱり噂どおりのこわいボクシングコーチ」って感じ。いろいろと正直な気持ちをたくさん教えてくれた。今、トモキは高校の柔道の選手。