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バート・ランカスターが歩く
歩くだけですごい人、バート・ランカスター。

 『空中ブランコ』 で街を去るラストシーン 
 『山猫』 の暗い裏通りに消えるラストシーン
 『フィールド・オブ・ドリームス』 でコーン畑に消える
 『大列車作戦』 でひとり歩くラスト
 『ローカルヒーロー』 でタクシーに向かって大股で歩く
 『スコルピオ』 で道を横切る何気ないシーン
 『戦場』 で、歩いていて振り返ったシーン

これほどの歩きができる人はいない。
『大列車作戦』 の登場シーンはひたすら歩く彼をカメラが延々と追う。
走ってももちろんすごい。

 『ケンタッキー人』 では湖を走って横切る
 『エルマー・ガントリー』 ではステージに滑り込み
 『大列車作戦』 の橋を疾走する真似はだれにもできない
 『アパッチ』 では走って来て、ライフルを持ったまま岩の上まで6メートルを飛び降りる。

他にも

 『大列車作戦』 では銃を肩にかけたまま、ひとつの山をまるごと転げ落ち
 『泳ぐ人』 では映画の最初から最後まで泳ぎ切る。
 『エルマー・ガントリー』 はしゃべりの術でアカデミー賞獲得

彼はパパの月給が2万円の家庭で、5人兄弟と共に靴磨き、雪かき、新聞売りなどをして育った。
20才の頃、幼なじみのボクサーと共にアクロバットチームを結成。
戦時中は兵士としてイタリア、オーストリア、北アフリカへ。
その経験を活かし 『ニュルンベルク裁判』 等、戦争の愚かさを描く映画ものちに多数。

34才の時、自分で映画プロダクションを設立し、既成のスタイルを打ち破った。
最高のアクションと、最高の気品(ヴィスコンティの 『山猫』 『家族の肖像』 )を持ったスーパーマン。

誰と共演しても、共演者の影が薄くなるのがバート・ランカスター。
『ベラクルス』は大スター、ゲーリー・クーパー主演だったのに、クーパーさんが出ていたのを誰も覚えていないほど。
by fighter_eiji | 2007-11-03 15:19
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