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エンニオ - 本物を感じること
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7-8才の頃、Ennio Morricone / エンニオ・モリコーネの音楽に出会った。それ以来ずーっと聴いている。彼のおかげで多くを学んだ。「深さ」 「強さ」 「勇気」「真実」 などを音楽が教えてくれた。

深いものを知ったおかげで、浅いものの軽薄さがすぐに感じる (テレビ番組、音楽、歌、人間など)。おかげで浪費の時間が少なくなった。
畑でとれた野菜をその場で食べている人は都会のスーパーの野菜は食べられないし、買ったりしないように。

子供たちに 「ああしろ、こうしろ」 と言わずに本物を見せてあげましょう。そうすれば子供たちは多くを知ります。ガミガミ言われている子供たちはもうとっくに見抜いています。親たちが 「本物」 ではないことを。

エンニオのすごいところはそれはそれは大変な勇気があること。鐘の音、オルゴール音楽、手綱、コンドルどころか、ロバが出る映画にはロバの鳴き声を、尼僧の映画では尼僧のお祈りを音楽に取り入れた。そんなことは誰もしたことがない。初めてやってこそ本当の勇気。
バリバリにクラシックを学んでも、クラシックにありがちな 「石頭性」 はまったくない。

彼の奏でる悲しい音楽は悲しみにも美学があるほどに心にしみる。強制収容所でナチスがユダヤ人に無理やりオーケストラを作らせたことをモチーフに撮った 『続・夕陽のガンマン』 のワンシーンで象徴されるように彼の音楽にある悲しみは第二次大戦で若かった彼が心身に受けた感覚がベースにあるのでは。彼の音楽のおかげで私はずーっと戦争が嫌いと言ってもいい。

感覚の教育は早くしなくては。これは脳みそではないところの教育だから。そして実はそれこそが本当の教育では?今、子供たちに詰め込まれているものより優先されるべきものがたくさんあるのに、それが供給されていない。それは親もそれを持ち合わせていないから。

TVドラマ 「武蔵」 のレコーディングを2週間後に控えたエンニオに出会ったのは2002年7月。「 『宮本武蔵』 を読んだ。とても素晴らしい話だ」 という彼の目には当時まだ訪れたことのない日本の侍の生き方を音楽にする自信と創造力が溢れていた。

映画 『ミッション』 を観てください。映画の脇役であるはずの音楽が登場人物を超えるほどの生き物になっています。映画史上、滅多にないこと。

トリノオリンピックのフィギュアスケートではエンニオの音楽を4回位、耳にした。スケートの本物たちが音の本物を感じている。

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トリノ五輪でも歌ったパバロッティが亡くなったときょうのニュース。パバロッティさん、世界に本物を見せてくれてありがとうございました。あなたも世界を平和にしています。音楽は永遠です。

Grazie e Ciao
by fighter_eiji | 2007-09-06 22:19
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