
地方都市の郊外を運転中。
道路の真ん中に漬物石のようなものが見える。
スピードダウンして近づくと、それは道を横切る亀だった。
道路の脇には川幅10メートルほどの川が流れる。
センターライン近くまでは来られたものの、ビュンビュン通り過ぎる車におびえて顔も手も全部甲羅の中に引っ込めてしまっていた。大変な恐怖だっただろう。
車を止めて、他の車もストップしてもらった。
「さぁ、どうぞ」と私の車に乗車してもらい100メートルほど走った。
亀さんは手足を出して、車の中を歩き始めた。ごめんね、おどかして。
川の脇のスペースを見つけて駐車。
水辺に近い草むらで降車して頂いた。石ころの上を重い甲羅をかついで水の中に戻って行く乗客。
亀さん達の竜宮城が水底にありますように。