外気のと気温差の関係で、飛行機内では時おり、天井から水滴が落ちてくることがある。
オーストラリアのケアンズ空港をカンタス航空の便が離陸の際、日本人ツーリストのグループが水滴に気づいた。
ザワザワしている。「水が漏れてる」「乗務員に言えよ」「危ないぞ・・」
全員シートベルトを締めて、飛行機が滑走スピードを上げた時になって、スリッパに履き替えた、半ズボンの男の日本人乗客が乗務員の方に歩き始め、天井を指差した。
慌てた乗務員が 「Sit down, please」
男性は歩き続ける。
乗務員 「 Sit down !!」 と叫ぶ
後方からおばさんのヒステリックな声がとどろく 「ふたつに折れたらどうすんの!」
離陸後、英語のアナウンスで 「温度差による露結だから心配ない」
クルーは今度は日本語でアナウンスを作らなくては。日本語が少しわかるスタッフが、ひと汗かいて日本語を作っていた。
なんと、このクルーは15年前、日本チャンピオンの大友巌が、ブリスベンに行って、オーストラリアの世界チャンピオンと試合した時、私達セコンドの手伝いをしたキャメロン・クインだった。
最初、彼が私に気がついた。機上での再会は奇跡のようだった。
ヒステリーの日本おばさんが騒いでいた。