
「エイジさんの好きな本は?」 ときかれて、
『マッチ売りの少女』 と答えたら、女学生が 「ブッ!」 と吹き出した。
全然、イメージに似合わないそうだ。
確かに。彼女は正しい。
『マッチ売りの少女』 が好きというより、これほど孤独の悲しさを強烈に感じる本はないと思う。
凍える寒さの中で、少女が、誰も買わないマッチを売る理不尽さ。
自分でマッチを使い果たし、最後の1本のマッチの小さな炎と共に、雪の中で息絶える。
この永遠の童話は 「人を孤独にしないで」「見て見ぬふりしないで」 と言ってるんだと思う。