床で眠る。
薄い毛布やタオルを体に巻きつけて。
強烈な冷房で凍えないため。
物音で目を開けると、
鼻先には機関銃の銃口。
ここは香港の飛行場。
ベトナムへ行くと、帰りはいつも、香港の空港で泊まる。
ホテルが高いから、節約。
当時はベトナム直行便もなかった。
夜中を過ぎると、空港を閉鎖するために、
空港警察が機関銃で見廻る。
そして、寝ている人達を、ひと部屋に集めて検査。
そのあと、ある一角に入れられて、そこで寝続ける。
寝る時は、荷物にヒモをつけて、自分の手足に結ぶ。
あたりを見ると、アジアの人も、欧米の若い女性もそうやって、ひとりで寝ている。
日本の若い女性も男も、空港では寝ない。
香港のデパートでバッグとシューズを買って、飲茶を食べて、
高級ホテルでぐっすり。
