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スイカと海と星と
中学生の頃、夏休みは海で過ごした。
友達と、離れ島や、海辺にテントを張り、何日も家に帰らなかった。
近所の小学生に 「スイカあったら一緒に食べよう」 と言うと、家からスイカを持ってきた。
夕方は潜って、貝を採り、みそ汁に。

夜は浜辺に寝転がって、10億個もありそうな、きれいな星を、一晩中眺める。
「あの星まで光の速さで、100万年かかるんだ」 と誰かが言う。
「あの星なんか、もうないかも知れないんだぜ」

自分たちの世界の小ささ、人生の短さが分かる。
普段、閉じ込められている学校の教室の狭さが分かる。
いつ眠ったかは分からない。
朝の潮風で目が覚める。
波の音がそーっと起こしてくれて、また楽しい1日が始まる。

朝から晩まで、自分で考え、自分で遊ぶ。
何日もの間、時計を見ない。時計は持ってさえもいない。
太陽の高さを見て、潮の満ち引きで1日の流れを知る。

少年の頃、自由の素晴らしさだけでなく、世界と自分について一番学んだのは、あのキャンプだろう。

* 大人が大勢来て、アレやコレややらせるキャンプじゃ困る
by fighter_eiji | 2008-02-10 12:30 | Children’s Times
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