Joe Louis the heavyweight champion defended his
tittle 25 times over 11 years.
His left hook was enormous.
世界ヘビー級チャンピオン、ジョー・ルイスは11年間にわたり、25回のタイトル防衛を果たした。
ただごとではない。
ルイスのボクシングをシュガー・レイ・ロビンソンが引き継ぎ、それをモハメド・アリが継承したと言っていい。
まさにボクシングの神様と言っていい、ルイスの銅像はラスベガスのシーザース・パレス内にある。
ルイスは1938年にドイツの宿敵マックス・シュメリングと再戦。
ヤンキース・スタジアムには7万人が詰めかけた。
シュメリング側は、ナチスドイツの幹部がつき添い、声明で 「 黒人がドイツ人に勝つことはない。ドイツ人が勝ち、そのファイトマネーで戦車を作る 」 と言った。
シュメリングのホテル前には抗議デモの人間も。
結果はルイスの1ラウンドKO勝ち。 爆弾のような破壊力を受け、マットに倒れたシュメリングの足は痙攣して震えていた。
何十年も経って、シュメリングは 「 あの時に痛めた腰は今も痛いよ 」 とインタビューで笑っていた。
政治利用もされた対決だったが、ふたりの宿敵にはそんな気持ちはさらさらなく、気持のいい、いさぎのいい、ふたりのスポーツマンだった。
2年後、ますます台頭するヒトラー政権に対して、正面から挑んだチャップリンの力作 『 独裁者 』 が公開され、世界はチャップリンのおかげでファシズムの非人間性を学んだ。
ファシズムを遂行する日本で公開されたのは、さらに20年が経った1960年。
終戦から15年も経ってから。
戦後でもファシズムへの反省や政権交代が行われてないのがよく分かる。
そして2008年になっても、ファシスト政府にとって、都合の悪い映画は上映が禁止されている。
言論の自由さえもない国は、国とは呼べない。
