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戦争と人間 - 高遠菜穂子さんの講演
「 命に国境はない ~ イラクで非暴力は実現するか 」
    - 高遠菜穂子さんの講演 -

● 泥沼状態のイラク

平和フェスタの講演で高遠菜穂子さんは、
イラクの戦争の実情を映像を使って説明しました。
米軍の爆撃によってたくさんの住民が殺され、米軍が
“ ミートフック ” を使って遺体をトラックから降ろし
袋詰めしているところなど、人を人とも思わない戦争の
現実に思わず目をそむけました。

今、イラクは、米軍、アルカイダ等の外部勢力による殺戮
米軍に肉親を殺された家族によるレジスタンス闘争、
宗派間、民族間の対立による殺し合いで泥沼状態です。
そのうえ、米軍が投下した劣化ウラン弾による被曝で
がん患者が多発しています。
住民の生活が二重、三重の恐怖下に置かれている
という説明に心が痛みました。

● アンバール州では

こうしたなかで、アンバール州では死者数が激減し、
夜中に拘束されることもなくなり、
静かな生活が戻ってきているそうです。
部族長たちがアルカイダ追い出しを最優先させようと
話し合い、米軍と交渉し、空爆、不当逮捕をやめさせました。
今は自分たちの警察が地元の治安を守っているということです。
高遠さんは、これがいい方向にいってほしいと述べ、
イラクの泥沼状態を軍事的手段で解決するのではなく、
非暴力で平和的に解決してほしいという願いを語りました。

● イラク人カーシムさんのこと

高遠さんは、支援活動に協力している
イラク人のカーシムさんの話をしました。
彼は、兄を米軍に殺され、米軍への強いうらみを
持っていました。
非暴力を主張する高遠さんと何度も口論になりました。
彼は、支援を受けた人たちが喜んでくれることを知り、
悩み、苦しみながらも、武器を持たずに活動するように
なりました。
彼は米軍に2回、アルカイダに1回捕まりましたが、
武器を持っていなかったので殺されませんでした。
高遠さんは、暴力に囲まれているイラクでも、
非暴力を貫く方が生きる確率が高いのではないかと、
問題を投げかけました。

● 憲法九条に関して思うこと

講演の最後に、高遠さんは、日本の憲法九条問題に触れ、
「 憲法九条は守りたい人、変えたい人いろいろいるが、
今起こっている戦争の実態をみんなが知らないと
九条の話は始まらないと思う 」 と話し、その実態を知った
うえで、九条をどうするか判断してほしいと語りました。
高遠さんは、今、戦争を知らない世代が多くなったが、
平和な国で育ってきた私たちは平和な解決方法を身を
もって知っていると思うと述べ、それをもっと世界に発信
してもらいたいと語りました。
今もっとも危険な国イラクで住民への支援活動をしている
高遠さんの平和への熱い思いと、強い意志に感服し、
背中を押されました。
これから、私たちももっと戦争の実態を知り、伝える活動を
続けていかなければという思いを強くしました。■

  -  文 : 内山 操さん  -


上記の文章は「平和憲法を広める狛江連絡会」発行の
ニュースレター (2008年9月7日号)より抜粋掲載。

高遠さんの講演は 【 こまえ平和フェスタ2008 】
( 2008年8月24日 東京都狛江市、狛江エコルマホール)
にて行なわれた。

【 こまえ平和フェスタ2008 】 は
「 平和憲法を広める狛江連絡会 」 の呼びかけで始まった、
狛江市と市民が共同開催する平和の集いで、
4回目の今年は600人以上が参加。

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* こういう市民の運動こそが社会を変える。
狛江の方々、どうもありがとうございます。

地球の一市民であるからには、立ち上がり、行動するのは
使命でもある。
by fighter_eiji | 2008-10-13 00:48
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